倫理原則
人類の長い歴史の中で選び抜かれた,正しい行為に共通することです。
倫理的判断の立場(理論)
行為の動機を重視する場合(義務論)と,行為の結果を重視する場合(結果主義あるいは功利主義)では,何が正しいか判断が変わります。行為者の人格を重視する立場(徳理論)もあります。リバタリアンとコミュニタリアンといった基本的立場の違いもあります。
キーワード
インフォームド・コンセント,パターナリズム,インクルージョンなど,知っていると便利な概念があります。
当事者が正しいと考える判断を尊重することです。
人間には理性があり,よく考えて正しい判断をする力があるので,当事者が自分について決めた判断を,周囲の人は尊重すべきだという考えです。
respect for autonomy
害を与えないことです。
暴力や嫌がらせを受けることを快く思う人はいません。他者を傷つけることは,正しくないとする考えです。
nonmaleficence
思いやりをもって,行動することです。
よいことだと信じて行う,正しいと考えて行うことが,正しい行為の理由になるとする考えです。
beneficence
差別をしないことです。
人が集まると,不公平や不平等が生じる可能性が出てきます。
機会均等,結果平等,必要に応じた配分,使おうと思えば使える能力や資源の平等など,公平性の実現に向けて多くの考えがあります。
Justice
人間としての義務だと考えて行う行為が正しいとする立場です。
行動の動機を重視します。
deontologism theory
行為の結果を予想し,善や利益が最大になるか,害や損害が最小になることが正しいとする立場です。
consequentialism or teleological theory
個人の自由裁量が最大化するような社会が正しいとする立場です。
個人自由主義と近い考えで,みんなが自由に選択して行動できるような社会を目指す考えです。
Libertarian
社会全体としてうまくいっていることが正しいとする立場です。
社会の中で不当に差別されたり抑圧されている人の立場から,よりよい社会を目指す考えです。
Communitarian